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決算の結果、損益勘定で計算された純利益または純損失を資本金勘定へ振り返る処理

決算時に損益勘定という勘定を設けます。そしてこの損益勘定に費用の諸勘定および収益の諸勘定の残高を振り替え記入します。それと同時に、費用の勘定と収益の勘定を締め切ります。損益勘定の貸方には、収益の諸勘定の残高を振り替え記入します。
{例(借方)売上(貸方)損益} 
損益勘定の借方には、費用の諸勘定の残高を振り替え記入します。 
{例(借方)仕入(貸方)損益}。そして費用・収益の諸勘定が振り替えられると損益勘定の借方および貸方の振替記入合計を比較すれば、純利益・純損失を求めることができます。純利益が求められた場合には、資本金勘定の貸方に振り替え記入します。(資本金勘定の増加を示します。)また、純損失が求められた場合、資本金勘定の借方に振り替え記入します。(資本金勘定の減少を示します。)

「勘定の必要性について」に掲載している「取引の8要素」を、確実に理解を深めてください。あやふやだと、なかなか理解しがたところがありますので、何度も復習して「体得」してください。頭で考えるのではなく、体が、勝手に反応するまで理解を深めてください。

(借方)

仕 入

(貸方)

(借方)

損 益

(貸方)

(借方)

売 上

(貸方)

60,000

損益 60,000

仕入 60,000

給料 30,000

消耗費18,000

資本金40,000

148,000

売上 110,000

雑収入 18,000

利息  20,000

 

148,000

損益 110,000

110,000

給  料

雑 収 入

30,000

損益 30,000

損益  18,000

18,000

消耗品費

受取利息

18,000

損益 18,000

損益  20,000

20,000

資本金

700,000
損益  40,000

【例】

1. 決算の結果、当期純利益が¥40,000であったので資本金勘定に振り替えた。

2. 決算の結果、当期純損失が¥20,000であったので資本金勘定に振り替えた。

3. 決算にあたって下記の勘定残高を損益勘定に振り替えた。
  売上¥110,000、雑収入¥18,000、受取利息¥20,000、
  仕入¥60,000、給料¥30,000、消耗品費¥18,000

(仕訳)

1.(借方) 損益

40,000

(貸方) 資本金

40,000

2.     資本金

20,000

     損益

20,000

3.     売上

110,000

     損益

148,000

      雑収入

18,000

      受取利息

20,000

      損益

108,000

     仕入

60,000

     給料

30,000

     消耗品費

18,000

●参考

1. 損益勘定の借方合計は¥108,000、貸方合計は¥148,000です。この差額の¥40,000は当期利益になりますので、(借方)損益¥40,000(貸方)資本金¥40,000の仕訳をして資本金勘定の貸方に当期利益を振り替えます。この仕訳を行うことによって損益勘定の貸借合計が一致して勘定が締め切られます。また、費用の諸勘定と収益の諸勘定も損益勘定に振り替えられていますので締め切りが行われています。費用・収益の諸勘定は、一会計年度ごとに終結します。

2. この問題では、損益勘定の借方合計が貸方合計よりも¥20,000多い場合の問題です。純損失となるので(借方)資本金¥20,000(貸方)損益¥20,000と仕訳を行います。

3. 決算時には、費用の諸勘定と収益の諸勘定を締め切るためと当期損益の把握のために必ず損益勘定が必要になります。上記の勘定記入例を参考にしてください。

【問題】

次の取引の仕訳をしてください。  解答例

1. 決算にあたって、次の諸勘定の残高を損益勘定に振り替える。
  売上¥1,000,000、仕入¥600,000、給料¥200,000、支払利息¥5,000、
  雑費¥10,000、受取手数料¥15,000

2. 上記損益勘定の残高を資本金勘定に振り替えた。

3. 決算にさいして、当期利益¥180,000と引出金勘定の借方残高¥40,000を、それぞれ資本金勘定へ振り替えた。

 

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