7.資本的支出に対する減価償却費の計算
        (問)建物を店として使用してから9年が経ち、この建物を7月に500万円を支出(資本的支出)して改造修理しました。この改造修理代は、建物のとは別に建物の残りの年数13年(残存耐用年数13年)として減価償却してはだめでしょうか。
      建物の構造: 木造 (法定耐用年数22年)
      
        取得価格: 1700万円
      
          前年末の未償却額
          @ 定額法の場合  10,665,800-
          A 定率法       6,652,303-
        (答) 建物を改造修理した場合、その改造は建物と一体としての機能を持っているので、改造した費用(資本的支出)だけを別個の資産として判断して取り扱うことは、できません。よってこの改造費用は、建物本体の耐用年数を用います。また、その年の中途で改造費用を支出した場合は月割り計算をして減価償却費を算出します。建物本体は、従来どおり計算します。
        従って、ご質問の場合の減価償却費の計算は、下記のようになります。
        定額法の場合
        
        @店舗本体の計算
        (17,000,000-17,000,000x0,1)x0,046x12/12=703,800 
        A改造修理(資本的支出)をした費用の計算
        (5,000,000-5000,000x0,1)x0,046x6/12=103,500
        本年の減価償却費は、703,800+103,500=807,300です。
        来年の場合
        
        {(17,000,000+5,000,000)-(17,000,000+5,000,000)x0,1}x0,046x12/12=910,800
        建物本体と改造修理の額をたして減価償却を行います。
        定率法の場合
        @店舗本体の計算
        6,652,303x0,099x12/12=658,577 
        A改造修理(資本的支出)をした費用の計算
        5,000,000x0,099x6/12=247,500
        本年の減価償却費は,658,577+247,500=906,077です。
        来年の場合
        期首未償却残額x0,099
        6,652,303-658,577=5,993,726
        5,000,000-247,500=4,752,500
        (5,993,726+4,752,500)x0,099x12/12=1,063,876です。
        (注)
        償却可能限度額: 漁業権、特許権、営業権などの無形減価償却資産については、取得価格の100%まで償却できます。しかし、建物や機械装置などの有形減価償却資産については、取得価格の95%を超えて償却することはできません。
        鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、煉瓦造り、などの建物、構築物、装置に着いては、償却可能限度額についての特例があります。
        
 
        
実務Q&A