健康サイトへ


マルチレベル・マーケティング(MLM)とは


Multi Level Marketing 「多面的な階層で物品を流通させる仕組み」という意味です。アメリカで1930年代に誕生した無店舗訪販商法のひとつで、商品の愛用者(消費者)が同時に販売員も兼ねるディストリビュータ方式を採用することで独自の販売システムを確立した。
MLM大手には企業格付ランキングでトップクラスも少なくない。

ネットワークビジネスとMLMは違うのか

基本的には同じものを指します。ネットワークビジネスはMLMの別の呼び方です。
但し、ネットワークビジネスという表現は、「インターネットを利用したビジネス」と解釈される場合もあります。

マルチ商法は違法なのか 

マルチ商法とは、MLMの仕組みを悪用した悪徳商法が横行した頃(1970年代)につくられた造語です。その当初では、「マルチレベル・マーケティングを模した悪徳商法」という意味で、マルチまがい商法と呼ばれていたが、いつしか省略されて今のような呼び方が定着したようです。
もちろん、マルチレベル・マーケティングそのものは違法ではありません。しかし、マルチ商法との境目を理解できない人が多いため、今だに混同されることがあるのも事実です。

ネットワークビジネス(MLM)は評判が良くないのか

MLM(ネットワークビジネス)の基本は「自分で使ってみて良かった商品をクチコミで親しい人に紹介し、『紹介の輪』を広げること、であって、広げた輪(流通組織)の大きさに応じて利益が配分される。
この「利益配分方式」が非常に良くできていて、この仕組みだけを利用して、粗悪な商品を流通販売させて金儲けを企てる業者やディストリビュータが後を絶たず、業界全体のイメージを悪化させている側面があります。

ネットワークビジネスに参加したら、消費者でも連鎖販売業者とみなされるのでしょうか
法的に言えば、連鎖販売業者とは「特定利益を収受し得ることをもって誘引し、商品等の販売等を行なう者を相手方として特定負担を伴う取引をする者」と規定しています。

ニュースキンビジネスでは、商品を直接ニュースキン社から購入して、一般消費者の方に販売できるのは、ニュースキン社とディストリービューター契約をした者です。(ディストリービューター契約は、先にディストリービューター契約をしている先人の人を介してニュースキン社と直接契約します。詳細は、NSEビジネス 登録からボーナスプランまでをご覧ください。)ですから一般消費者の方は、ニュースキン社から、直接商品を購入することができません。

しかし市場では、ニュースキン社の商品をディストリービューターでない人が、商品を販売しているケースがあります。このことは、ニュースキン社とディストリービューター契約をしている人から商品を購入して販売していると考えられます。このケースの場合、どういうわけかディストリービューターの提示する価額より安価な価額で販売しているケースがほとんどです。

契約の盲点、関係法令の解釈方法による合法化で、商品が流通しているのです。このことが、まじめにニュースキンビジネスを行っている方々の障害になっていることも、事実です。また、ニュースキンビジネスが、いかがわしい商法と誤解される一因でしょう。

それでも、ネットワークビジネス(MLM)が流行るのは何故でしょう

アメリカでMLMが急成長した1980年代、スタンフォード研究所のレポートにはこう書かれていたそうです。
1990年代の終わり頃には、大衆が日常消費する商品やサービスの50〜60%がMLMの手法で販売されるようになるだろう。

現実にはそこまでは到達していません。しかし、IT革命の進展によって構造変化を余儀なくされた流通業界にあって、ネットワークビジネスが注目される存在としてクローズアップされてきたことは事実であることにまちがいはありません。
疲弊した既存の流通構造に、もはや頼れなくなった企業も、独自の流通網を形成できるネットワークビジネスに注目しているのも事実でしょう。
また、終身雇用が約束されなくなったサラリーマン生活に不安を感じた個人も、自立自営の手段としてネットワークビジネスに注目するようになってきました。

企業がネットワークビジネス(MLM)に取り組むメリットは

よい商品を持っていながら、資本力が弱いために大々的に宣伝できず売れてない商品は、ネットワークビジネスのルートに乗せれば、比較的短期間のうちに世に送り出すことができる、 ことがその一例です。
この点で企業にとってネットワークビジネスは強力な武器になる可能性を秘めている。

 

1930年代にアメリカで誕生したMLMは、合法的な訪問販売の一形態として定着していきました。MLMの最大の特徴である「消費者=販売員」をまねた別の商法が現れました。かの悪名高いピラミッド商法です。 
この販売システムは「儲かる」といって人々を組織に勧誘するけれど、結果的には参加者の大半に、損をさせることになる詐欺的な商法と判明しました。

ところが1960年代にアメリカからMLM企業が日本へ上陸すると、すぐさまピラミッド商法の企業も後を追うように上陸してきたため、わが国では二つのビジネスを区別するいとまもなく「悪徳マルチ商法」として受け止められたものと考えます。
  
違法性の強いピラミッド商法は、日本でもすぐに被害者を出し社会問題化しました。
ちょうどその頃、日本でもネズミ講が横行していました。ピラミッド商法はネズミ講とよく似ていたため、マルチ商法=ネズミ講=悪徳商法のレッテルが貼られたと考えれば自然です。。不運だったのはMLMもこの中に組み込まれてしまったことです。
 
まもなく日本の行政も、あまりの苦情の多さにピラミッド商法の違法性に気がついて、規制に乗り出し、1976年に施行された「訪問販売法」(現「特定商取引法」)は、主として悪徳マルチ商法規制の目的で作成されたものです。
  
本来のMLMは、マルチ商法=悪徳商法と同じ、との誤解を受けながらもMLMが本来的に持っている強固な存在価値を発揮して発展を続けてきました。しかし、マルチ商法=悪徳商法の評判があまりにも強かったため、それと区別する意味で「ネットワークビジネス」の呼称を積極的に用いるようになり現在に至っているわけです。

 

歴史上、MLMを最初に導入したのは、アメリカのカリフォルニア州に本拠を置くカリフォルニアビタミン社(1934年創業)であったといわれています。 
  
広い国土をもつアメリカは、幌馬車の昔から、消費者に直接商品を売る訪問販売が盛んだったが、消費者と販売者は別々の存在だった。そんな時代にカリフォルニアビタミン社は消費者と販売者を結びつけた独自の販売プログラムを運営していたそうです。
 
自社製品を愛用してくれる消費者を販売員に起用し、その販売員に新たな販売員を募集する権利を与え、商品の販売手数料のほかに自らが獲得した販売員の売り上げに対しても販売手数料を支払うという方式です。
  
この方法を貫くとメーカーは通常の販売で必要になる流通経費、広告宣伝費がいらなくなる。その浮いた経費を販売員への販売手数料に回せば、自らの利益を削ることなく利益が確保できる。カリフォルニアビタミンはメーカーとして製品を製造し、手数料の支払い計算だけを行なっていた。 
この商法が当って商品が売れ始めると、同じ方法をとる会社がいくつか出現した。カリフォルニアビタミン社が1945年にニュートリライト社へと社名変更した時期に、商品として洗剤を扱う会社が現れ、その後も家具類、キッチン製品などさまざまな分野で、MLMは急速に普及していきました。 
  
普及の原動力になったのは、愛用者兼販売員(この業界ではディストリビューターと呼びます)に支払われる高額コミッションです。生産者は流通経費も出さず、広告宣伝もしないから、販売員たちは自分のクチコミの力だけで市場開拓をしなければならなかったのです。

しかし、その見返りは想像以上に大きく、ディストリビューターに還元されるコミッションは、自分の労働から得られるほか、自分が開拓した販売員という他人の成果からも期待できる点です。
その額がいかに大きかったかは、現在のネットワークビジネスに携わる活動的なディストリビューターの年収が数千万円から一億円を超えることを考えれば、おおよそ理解できるでしょう。
  
いつの時代でも、庶民レベルで一年間暮らすのに必要な収入額の十倍の年収を稼ぐのは容易ではありません。それができるのはほんの一握りの人々に限られます。しかし、ネットワークビジネスは庶民レベルでそれを可能にしたのです。

ネットワークビジネスは大きな資本も特別な能力もない個人が始めても、努力次第で多額の収入を得ることができるけれど、この多額の収入が得られるということが、このビジネスのあり方を歪めた側面があったことも指摘する必要があります。
賢者は、お金で幸せを買うことができますが、愚者は、お金で身を滅ぼします。

 

一般消費者がこのMLMビジネスに関わる立場につくには、まずディストリビューターになることが条件です。一口にディストリビューターといっても、実績によって何段階化に分かれています。多額の収入を得るには上位のディストリビューターになる必要があります。
上位への昇進(タイトルの獲得)を果たすためには、自己の築いた人脈グループ全体の売上高を上げる必要が出てきます。 

そこで少しでも早く売り上げ実績形成のために、無理な商品購入をして過剰在庫を抱えたり、下位者に無理な押し込み販売をしたり、あるいは昇進のため登録料、権利金をやりとりするというようなことが、このビジネスでは頻繁に行なわれてきた事実があります。
  
このことは、ビジネスのすすめ方によっては、経済的損失を被ることもあるということです。しかし、これはどんなビジネスにも起こりえることで、失敗すればまず最初に問われるのは自分自身であるということを自覚することです。

しかし、ネットワークビジネスに限っては事情が違いました。このビジネスで経済的な損失を被った人が増え始めると社会的な批判が強まったのです。
その理由は、このビジネスの業界周辺に仕組みがよく似た商法が存在したからです。それは、ピラミッド商法であったことは、言うまでもありません。

 

ネットワークビジネスは、『消費者=愛用者が販売員も兼ねている』という新しいマーケティング理論に基づいて1940年代に登場しました。その後、第二次世界大戦後のアメリカで次々と起業家が現れ、活況を呈することになりました。後にネットワークビジネスの代表的企業に成長するいくつかの会社が、1950年代の終わりから60年代にかけて誕生しています。一方でネットワークビジネスの仕組みを悪用したビジネスもこの時期に蔓延することとなりました。
  
1960年代の後半、この業界に一人の天才的な男が現れました。傘下に多数の企業を擁するターナーエンタープライズの総帥グレン・ターナーである。彼は「自己の確信する夢は叶えられる」という独自の成功理論を展開、巧みなミーティング手法によって、多数の参加者を集める消費者参加型のビジネスを始めた。 
彼の下には何万人もの人が集まり、彼の提唱する成功理論に魅了された。アメリカには鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの『富の福音』をはじめ、バイブルや深層心理学に基礎をおいた幾多の成功理論が存在します。ターナーもおそらくこの理論を応用したものと考えられています。 
  
アメリカの成功理論は自己啓発効果があり、今日でも高く評価されています。ゆえにこの種の理論を用いたことではターナーを非難することはできません。また、彼はマインドコントロールの手法を用いたと非難しますが、宗教でもビジネスでも一種のマインドコントロールが日常的に行なわれているのが現実です。その有効利用の方法が大事なのです。

 

ネットワークビジネスの基本原則は「親しい人にすすめる価値のある良質な商品」がその前提ですが、ターナーエンタープライズ社の問題点は、『商品』にあったと考えます。彼の会社が扱った商品は粗悪なものばかりで、中には商品が存在しないケースもありました。 
このようなやり方は、わが国のネズミ講とあまり変わらないと考えます。つまり、参加者を勧誘し、ビジネス登録料、タイトル獲得料、権利金などいろんな名目をつけて、実質的に多額の出資をさせ、集めた金を上位者が山分けしてしまうということです。
  
ピラミッド商法では経済的な損失を被った人が続出しました。当時のアメリカにはまだこの部類の違法商法を取り締まる法律が存在しなかったためです。
ターナーの手法を使って人を集めようとする企業が次々と誕生し、正当なビジネスをしているネットワークビジネス企業も疑いの目で見られるようになりました。
  
1960年代にはホリディマジック、ベストラインなどピラミッド商法の代表的企業が出現して多くの参加者を獲得しますが、ホリディマジックは1973年に「非良心的で詐欺的商法」として、出資金の全額返還と賠償を当局から命じられました。この頃からアメリカではピラミッド商法の規制へと動き出しますが、業界内の詳しい事情をまだよく理解してなかったアメリカの司法、行政当局はピラミッド商法に網を被せるつもりでネットワークビジネスも規制の対象にしてしまいました。 
  
ゆえに1970年代のネットワークビジネスは停滞を余儀なくされた時期です。ピラミッド商法が社会問題化して、行政、司法の介入事例が増えるにつれて、「よく似た商法」としてその影響を受けざるを得なかったからです。 
中にはネットワークビジネスで立上げながら、ピラミッド商法へと移行した企業も存在しました。仕組みが似ているということは、簡単にどちらにでも転換できるからです。ピラミッド商法に転換した企業は当局に摘発されたり、組織の崩壊で存続不能になっていきました。

 

米国内で窮したピラミッド商法は海外へ活路を求めていきます。海外でもすぐに違法性を表しました。ホリディマジック社はカナダ、スウェーデン、シンガポールでも業務停止命令を受けている。イギリスはピラミッド商法そのものを法律で禁じてしまいました。
  
ピラミッド商法とネットワークビジネスの違いが、人々にまだ明確に意識されていなかった時期に、違法性の高いピラミッド商法が法的規制を受ければ、ネットワークビジネスも安泰でいられるとは考えにくい状況になっていきました。 
  
その典型的なケースとして、ネットワークビジネスの代表企業だったアムウェイが、アメリカ連邦取引委員会から告発された事例があげられます(1975年)。このとき、アムウェイはアメリカ連邦取引委員会を相手に、敢然と自己の正当性を主張して一歩も譲りませんでした。 
四年の歳月をかけた裁判でアムウェイは徹底的に争い、1979年にアムウェイは勝訴しました。
「アムウェイのMLMシステムは、ピラミッド商法の持つ本質的特徴を含んでおらず、人をだますような違法な商法とは認められない」 いうことです。
  
この審決は一企業の勝利という以上の大きな意味があります。それはネットワークビジネス(MLM)が、ピラミッド商法と異なる正当な販売システムであることが初めて法的に認められた瞬間だったからです。アムウェイの勝訴は業界内外に大きな旋風を巻き起こしました。違法性が心配でこの商法におよび腰だった起業家たちは、再びネットワークビジネスの積極的導入を図るようになり新規企業が続々誕生することになったのです。

 

『フォーチューン』という著名な経済雑誌は、「注目に値する新流通形態」という企画特集を組みました。それによってネットワークビジネスは広く一般大衆が知るようになり、大きな社会的関心を呼び起こしました。
1980年代に入ると、ネットワークビジネスを導入する会社が爆発的に増加し、かつて最盛期にあっても二百社といわれたのが、一挙に二千社にまで膨らみ、その中にはコダック、エイボン・プロダクツなど有名企業も含まれていました。
  
このようにネットワークビジネス(MLM)は本国アメリカで立派な合法ビジネスとしてスタートしました。しかし、一方でピラミッド商法のほうは、連邦取引委員会によって監視され続けました。この頃、連邦取引委員会が作ったピラミッド商法に関するガイドラインがありますので、下記をご覧ください。
  
[ピラミッド商法の構成要件] 
  
1.高額の入会金を支払わねばならない。 
2.販売員を勧誘したとき、その見返りとして、モノやサービスの売買とは無関係に勧誘者に報奨金が支払われる。 
3.新規会員に対しても、同じような権利が与えられる(結果的に多額な出資をする)。 
4.商品の在庫返品を認めない。 
5.勧誘対象を増やし続けなければならない。 
  
以上の要素を持つと正当なネットワークビジネスのつもりでも違法なピラミッド商法と解釈されることになるということです。このガイドラインの精神は、日本のマルチ商法規制の法律にも反映されています。
  
日本においても、特定商取引法の規制では、先に掲げた「ピラミッド商法の構成要件」はすべて禁止されているので実質的にピラミッド商法は展開できないが、違法を承知で展開する業者や、見かけ上のシステムは合法でも実質的にはピラミッド商法まがいの運営を行う企業も後を絶たず、このことがネットワークビジネス全体のイメージを悪くする一因となっています。

 

日本でのネットワークビジネスの歴史は1960年代から始まりました。 
1963年に家庭用密封容器を主力商品とするタッパーウエアというアメリカ資本の会社が上陸、ディストリビューター制度を導入し営業を始めました。

この会社が日本で最初のネットワークビジネス企業と考えられています。しかし、この会社が現在のようなネットワークビジネスの手法をとっていたかは分かっていません。伝えられるところによりますと、ホームパーティを中心とした訪問販売の形式を採用していたようです。 
愛用者が販売員になって商品の良さをクチコミで伝えていく販売方法は、まぎれもなくネットワークビジネスそのものです。ちなみにこの会社は、現在でもネットワークビジネス業界の模範的企業として活動を続けています。
  
タッパーウエア上陸から5年後の1968年、同じアメリカ資本で洗剤を扱うスワイプジャパンが上陸しました。しかし、この頃はアメリカ生まれのこの新商法が世間を騒がすことはありませんでした。その意味で短期間でしたが、揺籃期はこの商法にとって「平和な時代」だったといえます。
活動の舞台がまだ狭かったことと、商品が良かったことがその理由です。ネットワークビジネスは正しく運営される限り、社会問題化することはないのですが、その始まりの時期は正しく理解されていたことになります。 
  
ネットワークビジネスへの誤解は、アメリカからピラミッド商法企業が上陸してきた頃から始まったといえます。1970年代初めAPOジャパン(カー用品)、ホリディマジック(化粧品)、ベストライン(洗剤)が日本上陸を果たした。いずれの会社もアメリカの連邦取引委員会が示した「ピラミッド商法の構成要件」をことごとく備えていたことです。またこれらの会社が、先に上陸していたネットワークビジネス企業に比べ、人集めの手法に数段長けていたことも、ネットワークビジネスにとっては不幸なことだったといえます。

 

アメリカからピラミッド商法企業が上陸してきて、その彼らがビジネス感覚の未熟な若者や学生らを、言葉巧みに説明会に出席させ、催眠的手法を使って勧誘しました。
この手の商法に免疫力のなかった人々は「儲かるよ」という甘い言葉につられて高額の登録料を支払い、商品を大量に買い込んでゆきました。 
本来的にマネーゲームであるピラミッド商法が扱う商品は粗悪なものが多々あり、物品販売はほとんど商売にならないのは前述した通りです。儲けるためには多額の加盟登録料を支払い、次に同じように権利を買う人を勧誘することしかなかったのです。 
  
会員になった人達は、在庫処分のため強引な押しつけ販売をする一方で、自分が勧誘されたのと同じ虚偽トークを使って、友人や知人をこの商売に巻き込んでいった。そのため誘った人と誘われた人との間でトラブルが続出したわけです。被害が大きくなって社会問題化すること数年、ようやくピラミッド商法の「好ましからざる正体」が明らかになり、国会で取り上げられることになリ、そして同じ頃急成長していた訪問販売や通信販売なども含め、無店舗販売を取り締まる法律として「訪問販売等に関する法律」が制定されるに至ります。(1976年12月から施行)
  
この時期では、ネットワークビジネスとピラミッド商法は特に区別されることなく、ともにマルチ商法と呼ばれていました。そのマルチ商法が訪販法で「連鎖販売取引」と規定され、きびしい規制を受けることになったわけです。この法律で規制されたのはピラミッド商法だったにも関わらず、ネットワークビジネスもこの枠内に閉じ込められ、正しい姿を広く知ってもらうことが難しくなってしまった。
現在でも一部にネットワークビジネスとピラミッド商法の区別を理解されていない人達が存在することも事実ですが、このことは、現在の状況から考えますと非常に残念な結果と言えます。

 

アメリカからピラミッド商法が上陸した時期は、日本でも類似商法が蔓延しており、多くの人々が熱に浮かされたように参加していきました。
なぜあんなことに熱中したのか、と後から振り返って自ら不思議に思うようなことにのめり込む癖が人間にはあるようです。
  
その意味でピラミッド商法にとって1970年代の上陸は絶好のタイミングであり、ネットワークビジネスにとっては最悪のタイミングであったと言っても過言ではありません。その後、遺症は長く続くことになるからです。 

ネットワークビジネスというのは、前にマルチ商法と呼ばれていた商法だろう。マルチ商法はネズミ講と一緒のはず。いくら呼称を変えても仕組みをいじっても、根本はネズミ講の変形にすぎない。
  
日本ではいまだにこういう誤解をしている人もたくさんいます。しかしさすがにここまで誤解する人は減少してきているようですが、なぜ誤解が生じたかを、考えてみましょう。それがわかればネットワークビジネスの正しい理解に役立つと思われるからです。
  
先に述べたように、日本にいわゆるマルチ商法(ピラミッド商法)が上陸したのは1970年代のことです。ところが日本ではネズミ講で急速に会員数を伸ばしている組織がありました。1967年に発足した「天下○家の会」(第○相互研究所、内○健一会長)です。

ネズミ講とは、先に加入した会員が、後から加入した会員が出した金品(金銭および有価証券など)を受け取れることを内容とした金品配当組織のことです。
会員がネズミ算的に増えていくことから、この名で呼ばれるようになったのです。 

a

ネズミ講では、かりに一人の会員が二人づつ子会員を増やしていくと、27代目で一億人を超え、破綻することは目に見えています。今は「無限連鎖講防止法」(1979年施行)によって、これら講組織の開設、運営、勧誘の一切が禁止されています。 

しかし「天下○家の会」発足時には、取り締まる法律がありませんでした。実際に出資金を上回る金品を受け取る者が大勢いたので、射幸心にあおられた人々が競って参加しました。
1970年には参加者が40万人にも達していました。この会は禁止されるまでに100万人の参加者を獲得したといわれています。
  
もう一つピラミッド商法にとって好都合だったのは、SF商法という新手の詐偽まがい商法が登場していたことです。
密室性の高い場所に人々を集めて、巧みな話術で雰囲気を盛り上げ、定額商品を無料で配って信頼させ、高額商品を買わせる商法です。別名「催眠商法」とも呼ばれていました。
近年では、繁華街で若い人々に声を掛けて、近くのビルの一室に連れ込んで、様ような契約を強要する商法が一時期、社会問題になりました。

 

アメリカのピラミッド商法が、グレン・ターナーという天才的話術の男の出現によって繁栄したという話を前節でしました。SF商法にもターナーに似た人物がいて、この人物の主宰する会社はほんの一時ですが従業員数千人を抱える大企業に成長していきました。
 
この会社はまもなく倒産しますが(計画倒産の疑いが濃厚)、手法を学んだ関係者が、折りから上陸してきたアメリカ生まれのピラミッド商法へ流れた事実も見逃せません。

SF商法の手法とその関係者が加わることで、ピラミッド商法の説明会場は、いつも伸び盛りの新興宗教にも似た熱気を帯び、「儲けたい」という願望を持った人々を酔わせた。 
  
ネズミ講もピラミッド商法も、その組織に加入した人が勧誘者となって、身近な人間を誘うという連鎖的手法では共通しています。
そしてネットワークビジネスもまた、連鎖的という点では、これらの商法と共通点を持つのも事実です。この一点がネットワークビジネスの誤解を生じる最大の問題点であると断言できます。
  
ネットワークビジネスとネズミ講は明確に区別できます。ネズミ講は商品を介在させず、またネットワークビジネスが有限連鎖なのに対して、ネズミ講は無限連鎖です。それよりも今日に至るまで依然として難しいのは、ピラミッド商法とネットワークビジネスの区別のほうです。

 

もともとピラミッド商法とネットワークビジネスは、同時期に誕生しています。手法もほとんど同一でありながら、ネットワークビジネスとピラミッド商法が天と地ほどの違いを生じさせたのは、それは、ひとえに運営する人間の志の差であったといっていいのではないでしょうか。 
ネットワークビジネスは「よい商品を可能な限り安い価格で普及すること」を目指して消費者参加型のビジネススタイルを創始しました。
しかし皮肉なことにこのシステムは短期間に大金を獲得したいという考えの人間にも通用するものだったからです。そして文字通りそれを実行して見せたのがピラミッド商法です。
  
だからピラミッド商法の会社が、ネットワークビジネスを名乗って営業することは簡単にできたわけです。そういう会社はおおむね長続きせずに消えていくしかない。そしてまた簡単に出現してくる。
結果、残った悪評の影響をネットワークビジネスが一身に受けるという構図がずっと続いてきました。

また、最初はネットワークビジネスの仕組みで合法的にスタートした会社が、途中からピラミッド商法的な手法を取り入れることもある。それはネットワークビジネスを主宰する会社が背に腹をかえられないで手を染めてしまうこともあるし、会社は真っ当なビジネスをしているのに、参加しているディストリビューターが制度を悪用してしまう場合もある。 
  
1976年の「訪問販売法」、1979年の「無限連鎖講防止法」と二つの新しい法律が施行されたことで、違法性の高いピラミッド商法の会社、ネズミ講組織は急速に衰微してゆきました。
かわって注目を集めてきたのは、正しい商法を展開してきたネットワークビジネス企業であったのはいうまでもないことです。

 

MLM(ネットワークビジネス)は、法的には「連鎖販売取引」として定義され、特定商取引法の枠内において運営しなければなりません。
法律では、どんな行為が禁止されているのでしょう。具体的な事柄に関しては、下記の記載をお読みください。

この業界で起こるトラブルによく見られるのは、「儲かるから」といって人を勧誘し「だから入会するためにこれだけのお金が必要だ」とお金を払わせる、といったケースです。これを未然に防止するために、いくつかの禁止行為が、特定商取引法において定められています。
また、同条第三項は「統括者、勧誘者または連鎖販売取引業者は、契約を締結させ、または契約の解除を妨げるために、人を威迫し困惑させる行為をしてはならない」としています。

<特定商取引法の禁止行為> 

1. 商品に関して不実なことを告げてはならない(種類、品質、性能など) 
2. 権利もしくは、役務の種類、内容に関して不実なことを告げてはならない 
3. 特定負担に関して不実のことを告げてはならない 
4. 特定利益に関して不実なことを告げてはならない 
5. 契約解除に関する事項で不実なことを告げてはならない 
6. 以上のほか、相手の判断に影響を及ぼす重要なこと。 
7. 法定書面の不交付 

 

【商品に関する不実告知】
事実は普通の性能なのに「世界最高の性能を持つ」といったりすると違反です。
訪販業態では「消火器は各家庭に設置の義務がある」「アルミ鍋が有害なことは証明されている」「もう契約の解除はできない」などと事実と違うトークをもって顧客の判断に決定的な影響を与えることがよくああるます。連鎖販売取引ではこの点がさらに厳しく規制されるので、勧誘や販売に際しては細心の注意が必要です。

【特定利益に関する不実告知】
特定利益とは、連鎖販売取引に参加した者が得る報酬のことです。業界では、この特定利益に関するオーバートークがしばしば問題になる。例えば、「月収いくらいくらは固い」といった物言い。勧誘に際して、あたかも確実な特定利益が得られるような表現は厳に慎む必要があるます。
実際にビジネスでは何もしないで儲かることはほとんどないし、個人の努力で収入は異なってくるのに、勧誘に際してはどうしても甘い言葉を使うことが多い。こういう勧誘の仕方は訪問販売では一般にも行なわれている。
たとえば保険の勧誘などでも、商品に関して相手方の錯誤を誘うような言い方をし、都合の悪い事実は言わないこともある。しかし、連鎖販売取引では他の業界以上にこの点に注意を払わなければなりません。

【特定負担に関する不実告知】
特定負担とは、連鎖販売取引に参加する者が入会に際して負担しなければならない金銭のことを指します。後に特定利益が得られることを謳ったビジネスにおいては、たとえ1円でも入会時に金銭の負担があれば、連鎖販売取引とみなされる。
最近、よく問題になるのは、入会に際してはきわめて低額の負担で加盟を誘導し、入会後に多額の負担を義務づける手法であります。

【契約解除(クーリングオフ)に関する不実告知】
クーリングオフとは契約をした際、何日かして気が変わったとき、消費者が一切の不利益を被らないで契約の解除、撤回ができる期間を定めた制度。通常は8日間だが、連鎖販売取引のクーリングオフは20日間と定められている。
「クーリングオフは認められていない」「クーリングオフは8日間である」といった言い方は法律に違反する。
なお、クーリングオフの起算は契約書(申込書)を受け取った日から、その日を含めて行なわれる(日付と受け取りが異なる場合は受け取った日)。クーリングオフの発生は、認められた期間内に書面(葉書、封書、内容証明等)で、申込の撤回(または契約の解除)をする旨を書いて投函すればいい「発信主義」になっています。

【その他の不実告知】
相手の判断に影響を及ぼしそうなトークとして「経済産業省から正式に認められた商法である」が使われることが事実としてあります。
特定商取引法の管轄が経済産業省であり、連鎖販売取引は規制を遵守する限りにおいて合法ビジネスだが、経済産業省が認めたというトークは不実の告知とされる。
また、勧誘の際にこちらから「連鎖販売取引である」とわざわざ告げる必要は必ずしもないが、相手から「連鎖販売取引か?」と質問され、「違う」と答えると不実の告知になる。この他、本部が経営破綻の危機にあるのを知りながら、その財産状況などについて告げないのも不実の告知にあたるとされる。

【威迫、困惑行為の禁止】
連鎖販売取引に限らないが、訪問販売では顧客に買わせたり、契約させるために居座ったり、相手を不安、困惑させる言動をとる場合があるが、そういう行為は禁止されている。連鎖販売取引では統括者、勧誘者、連鎖販売取引業者が行なったときに問題とされる。

【法定書面の不交付】
勧誘を行う際には必ず「概要書面」を相手方に交付し、商品やビジネスの内容、契約の解除の方法などについて説明を行わなければならない。また、契約が成立したら、速やかに契約内容を明らかにするために「契約書面」を交付しなければならない。これを怠ると、書面不交付で特商法違反となる。

 

ネットワークビジネスに参加したら、消費者でも連鎖販売業者とみなされるのでしょうか。
法的に言えば、連鎖販売業者とは「特定利益を収受し得ることをもって誘引し、商品等の販売等を行なう者を相手方として特定負担を伴う取引をする者」と規定しています。

ニュースキンビジネスでは、商品を直接ニュースキン社から購入して、一般消費者の方に販売できるのは、ニュースキン社とディストリービューター契約をした者に限られます。
ディストリービューター契約は、先にディストリービューター契約をしている先人の人を介して契約します。詳細は、NSEビジネス 登録からボーナスプランまでをご覧ください。
ですから一般消費者の方は、ニュースキン社から直接商品を購入することができません。

しかし市場では、ニュースキン社の商品をディストリービューターでない人が、商品を販売しているケースがあります。【※】このことは、ニュースキン社とディストリービューター契約をしている人から、商品を購入して販売していると考えられます。このケースの場合、どういうわけか一般ディストリービューターの提示価額より安価な価額で販売しているケースがほとんどです。
契約の盲点をついた方法で、商品が流通していることも事実です。このことが、まじめにニュースキンビジネスを行っている方々の障害になっていること。また、ニュースキンビジネスが、いかがわしい商法と誤解される一因になっている原因とも考えます。

 

【※】ニュースキン社の対応措置
法律事務所で対応を協議。
ディストリービューター最上位者へ、問い合わせの趣旨を説明して、同様の行為をしないように要請している。

お店やShop経営者に対するニュースキン社の対応措置
店頭販売できませんので、文章にて趣旨を通知。または、直接訪問して、販売の自粛を要請、その際に商品入手経路(流通経路)を教えて頂くように要請しています。
ニュースキンディストリービューターの方であれば、契約解除も視野に入れて対応。

 


≪プロフィール≫ 
<ニュー スキン エンタープライズ社> 
1984年6月:ユタ州プロボでブレイク・ローニー氏が創業。2004年、20周年を迎える。
1996年11月:ニューヨーク証券取引所に上場
1998年10月:栄養補助食品のファーマネックス社を買収
1999年2月:ビッグプラネット社を買収
2002年2月:
冬期オリンピック(ソルトレークシティー)の公式スポンサーとなり、選手やメディアの方々におしゃれを楽しむ場(ニュー スキン サロン)を提供。
現在世界の34の国と地域にそのネットワークを広げている。
2004年末:
ニュースキンエンタープライズ社は、株式史上、ウオールストリートジャーナル紙において、消費者向け製品のトップ企業としての位置づけを得た。

◇ 日本における展開 
<ニュー スキン ジャパン 株式会社> 
1993年4月:世界で7番目の開業国となり、港区芝にニュー スキン ジャパン インク 日本支社として業務を開始。
1995年3月:オフィスを新宿副都心の新宿アイランドタワーに移転。
1995年8月:日本支社からニュー スキン ジャパン株式会社に変更。同年11月大阪支店開設。
1997年12月:福岡支店開設
1998年5月:物流センターを横浜に移転
1999年6月:有明にコールセンター開設。
2000年2月:。ニュー スキン、ファーマネックス、ビッグプラネットの3事業部による事業部制を開始。
現在、ニュー スキン ジャパンは世界の売上げの半分以上を占めている。
資本金:12億6000万円
売上高:661億円5300万円(2002年度)
従業員数:約650名(派遣社員を含む)
事業内容:パーソナルケア製品、栄養補助食品、生活関連製品の製造・輸入・卸売販売と、インターネット関連製品・サービスの提供。 


 健康サイトへ